2018年度日本鉄道保存協会 総会・見学会の開催 報告
近代化遺産を観光資源として活用し、地域活性化に活かす取り組みの先進地として知られる小坂町(秋田県)で開催しました。
ホスト役は小坂鉄道レールパークのボランティア活動を行っている会員の小坂鉄道保存会です。
会長の千葉裕之さん、事務局長の亀沢修さんらと綿密な打ち合わせを重ねて9月21日(金)〜22日(土)に開催の運びとなりました。総会・見学会には全国各地から会員、賛助会員、友の会会員、オブザーバーの皆様が総勢70名参加され交流を深めました。
写真構成で報告いたします。(写真と文 事務局長 米山淳一)
シンポジウム「近代化遺産としての鉄道を生かしたまちづくりと観光」
パネラー
水澤喜代志氏(新津鉄道資料館)は、鉄道遺産を観光資源としてとらえ地域経済の活性化に活かすことを実践。地元商店街で鉄道の日に合わせて店先を鉄道資料一色にして集客。
花上嘉成氏(元東武博物館名誉館長・当協会顧問)は、SL大樹の運行がもたらした鬼怒川線の活性化を紹介。SL運行が地域の魅力づくりに一役かっている。沿線の歴史的橋梁、駅ホーム等7か所を国登録有形文化財として鬼怒川線の歴史もアピール。
大南祐之氏(敦賀市観光振興課長)は、敦賀市、南越前町、長浜市(滋賀県)と観光連携協議会を設置。旧北陸本線の駅舎、隧道他の施設、構造物を近代化遺産として保存、活用し地域を越えて連携し、広域観光を目指す取り組みを紹介。
千葉裕之氏(小坂鉄道保存会会長)は、鉱山鉄道の車両、駅舎、施設、構造物等を康楽館、旧鉱山事務所(いずれも国重要文化財)と一体となった形で鉱山町の魅力を発信するこを実践し集客に成功。
コーディネーター 米山淳一
歴史的車両、施設、構造物を近代化遺産として位置づけ保存・活用が各地で進み観光資源となっている。歴史的町並みや集落、または、棚田、里山他地域固有の文化遺産と資源と肩を並べる存在になった鉄道は、まさに将来にわたり地域に活性化をもたらす地域遺産であり、これを育て守るために市民、行政、専門家、企業等が力を合わせることが大切。
*来年の総会、見学会は滋賀県長浜市と福井県敦賀市、南越前町に決まりました。
北陸本線の鉄道遺産を活かした観光連携協議会を設け活動中です。ぜひ、ご参加ください。