○三菱大夕張鉄道保存会の活動
鉄道廃止後、最終日の編成のままの客車・貨車などが南大夕張駅跡に残された。平成2(1990)年には南大夕張炭鉱が閉山、保存・公園化を前提として車両が夕張市へ譲渡された(実際に正式譲渡されたのは平成19年)。公園化が具体化しないまま平成11(1999)年には客車1両が積雪により転覆したが、市民や出身者などで三菱大夕張鉄道保存会が発足、夕張市へ保存を求めると共に修復活動開始し、12月には夕張市により客車の転覆復旧工事が実施された。
その後当会により補修作業が本格化し、平成13(2001)年には三菱大夕張鉄道の車両を含む空知管内の炭鉱遺産が「北海道遺産」として認定された。平成17(2005)年には、夕張市によりシューパロダム周辺整備計画の一環として「南大夕張列車公園」整備計画が発表、住民説明会も実施されたが翌18(2006)年には財政破綻が表面化。公園計画は事業見直しにより凍結された。平成19(2007)には旧南大夕張駅と保存車両が経済産業省により、近代化産業遺産として認定された。平成27(2015)年には三菱鉱業自社発注のナハフ1が往年の塗装に復元された。
一方、財政破綻により、夕張鉄道や三菱大夕張鉄道のSLや関連資料を保存する、石炭の歴史村・SL館も閉鎖され、貴重な車両・資料の解体・散逸も懸念される状態にある。旧南大夕張駅については保存車両の補修に加え、補助金等を活用してホーム補修も進めているが、SL館保存の車両・資料についても、炭鉱地域独自の鉄道遺産として地域再生に活用出来るよう活動を展開しますので、皆様のご指導・ご支援願います。 |