○三菱大夕張鉄道について 三菱大夕張鉄道は明治44(1911)年に大夕張炭坑の専用鉄道として清水沢〜二股間(後の南大夕張)が開通、その後炭鉱の北部移転に伴い、南大夕張〜通洞間(後の大夕張炭山)が延長された。昭和14(1939)年には地方鉄道に改組され、大夕張炭鉱の他、沿線の中小炭鉱の石炭輸送、森林鉄道で運び出された本材輸送など、沿線の開発に大きな貢献をした。 また、道路が未整備であった昭和30年代後半までは、地域住民の貴重な足でもあり、昭和62(1987)年に南大夕張炭鉱の合理化で鉄道が廃止されるまで残された「石炭ストーブ」列車は夕張の冬の風物詩でもあり住民等に親しまれていた。 |
○三菱大夕張鉄道保存会の活動 鉄道廃止後、最終日の編成のままの客車・貨車などが南大夕張駅跡に残された。平成2(1990)年には南大夕張炭鉱が閉山、保存・公園化を前提として車両が夕張市へ譲渡された(実際に正式譲渡されたのは平成19年)。公園化が具体化しないまま平成11(1999)年には客車1両が積雪により転覆したが、市民や出身者などで三菱大夕張鉄道保存会が発足、夕張市へ保存を求めると共に修復活動開始し、12月には夕張市により客車の転覆復旧工事が実施された。 その後当会により補修作業が本格化し、平成13(2001)年には三菱大夕張鉄道の車両を含む空知管内の炭鉱遺産が「北海道遺産」として認定された。平成17(2005)年には、夕張市によりシューパロダム周辺整備計画の一環として「南大夕張列車公園」整備計画が発表、住民説明会も実施されたが翌18(2006)年には財政破綻が表面化。公園計画は事業見直しにより凍結された。平成19(2007)には旧南大夕張駅と保存車両が経済産業省により、近代化産業遺産として認定された。 一方、財政破綻により、夕張鉄道や三菱大夕張鉄道のSLや関連資料を保存する、石炭の歴史村・SL館も閉鎖され、貴重な車両・資料の解体・散逸も懸念される状態にある。旧南大夕張駅については保存車両の補修に加え、補助金等を活用してホーム補修も進めているが、SL館保存の車両・資料についても、炭鉱地域独自の鉄道遺産として地域再生に活用出来るよう活動を展開しますので、皆様のご指導・ご支援願います。 |
主な活動内容
○保存車両公開 4月下旬〜11月中旬(月1回程度の補修活動)
○汽車フェスタ 9月上旬
○SL館雪下ろしバスツアー 1月下旬
○SL館公開や廃線跡・産業遺産探訪などを組み合わせたバスツアーなどの企画
○ホームページ http://www.geocities.jp/ooyubari_rps/index.html
夕張市での連絡先 夕張市南部新光町42 金澤洋行(保存会顧問) 0123-55-2318